虹の世界
「仕事終わり、迎えに行く。食事とか、映画とか、なんでもどうぞ?」


「なんでも?」


「なんでも。」


「うーん…………。」


時間を見付けては、俺の家や、彼女の家で過ごしていた。

二人の時間が重なっていく。

ほんの些細な事でも、二人には大切な宝物。

慌てない。ゆっくり進めばいい。


「ねぇ?」


「ん?」


「なんでも良いんだよね?」


「良いけど?何?ヤバそうなこと?」


「食事も映画もいらない。」


「え?」


「瞭くんが居れば良い。」

「…………。」


「瞭くん?」


あまりに可愛くて……。

馬鹿みたいに嬉しくて…。


「じゃ、俺んちで良い?」


「ご飯、作る。」


「うん。」




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