いちごキャンディー【短編】
隼人は私に向かって、いちごキャンディーをひとつだけ投げた。


「じゃーな。美里」


隼人はそれだけ言って、家の中に入っていった。


「なんなの、あいつ…」


昔から一緒にいても、分からないことがひとつだけある。

それは、隼人の『好きな人』のこと。

私はてっきり、隼人に好きな人なんかいないと思ってたけど、今日のことでまた謎が増えてしまった。

教えてくれれば、なんでも協力するのにな。

なにがなんでも、隼人の好きな人を突き詰めてやる!


私は隼人にもらったいちごキャンディーを頬張り、そう決心したのだった。


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