くちづけのその後で
「朱莉さんは楽しかった?」


西本君は、真剣な眼差しであたしを見つめた。


「うん、楽しかった♪」


すんなり飛び出したその言葉に、自分でも少しだけ驚いてしまったけど…


それが、今のあたしの正直な気持ちだった。


「そっか♪じゃあ、良かったわ!」


「うん、ありがと♪」


安堵の笑顔で言った西本君に、あたしはニコッと微笑みながら返した。


「どういたしまして」


あたし達は満面の笑みで顔を見合わせ、また並んで歩き出した。


< 274 / 808 >

この作品をシェア

pagetop