くちづけのその後で
自分でもどうしてあんな事を言ってしまったのかなんて、全然わからないけど…


さっき西本君が言ってくれた優しい言葉で、あたしの心が動きつつあったのかもしれない。


だけど…


自分が発した言葉に後悔していたのも、紛れも無い事実だった。


それでも、自分から家に招き入れるような事を言っておいて、今更帰す訳にもいかない。


「散らかってるし、めっちゃ狭いねんけど……。どうぞ……」


あたしは何か大きな覚悟を決めるような気持ちで、西本君を部屋の中へと促した。


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