くちづけのその後で
1月上旬、年が明けてから初めての出勤日…。


あたし、夏野朱莉(ナツノアカリ)は白衣に着替えて、受付で今日の予約を確認していた。


診察開始時間の10分前、ガラス張りのドアから冷たい風が吹き込んだ。


「こんにちは」


いつものように笑顔を向けると、患者もニッコリと微笑んで会釈をした。


患者に差し出された診察券を、笑みを浮かべたまま受け取る。


「患者さん、入れて」


予定通りの時間に先生に指示されたあたしは、受付から患者を呼んで診察室へと促した。


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