くちづけのその後で
 − ピンポーン♪


キッチンで麦茶を用意していると、インターホンが軽快に鳴った。


それを鳴らしたのが颯斗だとわかっているけど、念の為にモニターを確認しながら受話器を取った。


「はい」


「俺!ただいま、朱莉♪」


颯斗の言葉に胸の奥を甘くくすぐられて、思わずあたしから笑顔が零れる。


「おかえり。すぐ開けるから、ちょっと待ってて!」


「おう♪」


颯斗の返事を聞いてから受話器を戻した後、急いで玄関に行ってドアの鍵を開けた。


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