くちづけのその後で
「ママ?」


その声にハッとすると、海斗がキョトンとしながらあたしを見上げていた。


「ご飯にしよ♪」


あたしは、海斗に心配を掛けないように笑顔で言って、昼食の支度を始めた。


「ママー!ごはんー!」


「もうちょっとで出来るから待ってて」


悩んだ末、メニューは簡単に作れるチャーハンにした。


「美味しい?」


「おいしー♪」


そう言いながら満面の笑みで食べてくれる海斗を見て、嫌悪感に包まれていた心が温かくなった。


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