くちづけのその後で
颯斗の事を考えていると、自然と溢れ出て来る涙。


冷たい涙はあたしの頬を伝って、ポロポロと床に零れ落ちていった。


マットの上には、徐々に丸い染みが出来ていく。


「……嫌……やなぁ……っ……」


こんなに好きやのに……


こんなハズじゃなかったのに……


そう思っていても、颯斗の両親が悲しむ姿は見たくない。


だけど…


どんなに必死に考えてみても他に何も思い付かなくて、自分(アタシ)に出来る事はこの方法以外には無いんだと思い知らされた――。


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