くちづけのその後で
桜の蕾が大きく膨らみ始めた、3月下旬。


柔らかい陽射しを浴びながら、海斗を保育園に送って行った。


「じゃあ、また夕方に迎えに来るから♪」


「うん♪ママ、ばいばーい!」


満面の笑みで頷いた海斗に手を振って、保育園を後にした。


今日は平日だけど、仕事を休んで颯斗と会う約束をしていた。


海斗には申し訳ないけど、今日は彼の卒業と就職のお祝いに二人で京都に行く。


あたしは携帯で時間を確認した後、待ち合わせをしている地元の駅に急いだ。


< 769 / 808 >

この作品をシェア

pagetop