赤ずきんと狼。



べつにって…。


何したのよ、私に…。



まさか…


「だからきたねぇマネはしてねぇって」



私が思ったことを察したのか狼がさっきよりきつい口調で言った。



そして、声のトーンを落として


「行くぞ」と洞窟から出た。



私も黙って、洞窟から出ると雨は降り止んでお日様が出ていた。



なんだろう。


この複雑な気持ち。


不安なようながっかりしたような不信なような…よく分からない。




とにかく目の前にいる狼とカベが出来たようで、少しさびしいような…気がする。




でも


お日様が照る



遠くのほうを見つめる荒月の顔は結構がよく





冷たい目は澄んで綺麗で



私は見惚れてしまった。







< 147 / 171 >

この作品をシェア

pagetop