恋〜彼と彼女の恋愛事情〜
「別れた理由もちゃんと聞いてない」

「うん」

「・・・純がさぁ、恋がまた出来るようになったのは、私はすごく嬉しいのね」

「うん」

「前の高橋君だっけ?と別れたときは、憲吾のことまで疑うようになっちゃってたからね」

「え!?うそ!?」

憲ちゃんが声を上げる。

「本当。結婚式も決まってるって言うのに、『憲ちゃんだって男なんだからなに考えてるか分からないし、騙されてるかもしれないよ?結婚考えたほうがいいよ』ってね」

「ガーン。憲吾君軽くショック・・・。純ちゃんのことは妹だと思って接してきたのに・・・」

「ちょっ!いまさらそんな話聞かせなくてもいいじゃん」

も~、憲ちゃんマジで落ち込んでますけど・・・。

「初めて付き合った人に、騙されちゃったら・・・あんな風になっても仕方ないって思ってたんだけど、引きずって欲しくないなーって、ずーーーっと思ってた」

「え?そうなの?」

「そうだよ。・・・乗り越えて、次の恋ができればいいなって」

「そっか・・・」

「ねぇ純、暁君は、高橋君じゃないよ?」

はい?・・・言ってる意味が分からないんだけど。

「純が、もしまた暁君に『お前なんか』って言われたらって思って、怖かったって言ってたでしょ?」

「うん」

「でも、お前なんかって言ったのは高橋君で、暁君じゃない。今まで付き合ってきて暁君は純にひどいこと言った?」

「・・・言って・・・ない」

暁は優しい人だもん。

人を傷つけるような事は簡単には言わない。

「過去の傷を前において、そこに暁君を並ばせてはダメなのよ。それでは暁君のいいところは見えなくなってしまうでしょ?」

私はいつの間にか、暁と高橋君を重ねてみてた?

「傷は傷として受け止めて、そしてちゃんと沢田 暁って人と付き合わなくちゃいけなかったんじゃない?」

「うん、うん」

暁、ごめんね。

素直になれなくて。






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