恋〜彼と彼女の恋愛事情〜


過去に一緒に行った事で嫌な記憶しかない舜が、また同じ様なデートに誘われたと知ったら・・・フラッシュバックなんかして、発作でも起きたらって思ったら・・・なかなか怖くて切り出せなかった。

舜はソファに座り、テレビを見ながらお菓子を食べていた。

思い切って切り出す。

「なあ、舜」

俺の呼びかけに

「なに?」

顔はテレビを見たまま返事をする。
いつもなら『ちゃんとこっちを見て返事しろ』って怒るのだが、今日はそのほうが都合が良かった。

「土曜日に彼女と出かけるんだけど、舜も一緒に行かないか?って」

俺の言葉を聞いてバッとこっちに振り向いた。
とても驚いている顔をしている。

それから何か考えている様子だった。

「あまり深く考えなくていいから」

ムリはさせたくない。

しばらく考えていたけど、小さな声で俺を見て言った。

「・・・・・・行く」

舜は行く事を選んだ。

「そうか・・・・どこか行きたいところとか、あるか?」

本当に大丈夫なのか?と聞きたかったが、あまり深く詮索するのも良くないかなと考えてそのまま行きたいところを聞いてみることにした。

「うん・・・・水族館に行きたい」

「わかった、聞いてみるよ」

水族館か・・・そういえばこの前のバス遠足、水族館ってプリントに書いてあったような気がする。・・・あの時は、検査でOKがでなくて行けなかったんだっけ。

それだけ言うとまたテレビを見ながらお菓子を食べていた。



純に聞いてみると快く『いいよー』と言ってくれた。

土曜日は水族館でデートだ!


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