七夕に降る雨
「そういやお前、誕生日っていつだっけ?」


久しぶりに太陽が高い時間に会った八月の初め。


「誕生日?誰の?」


アイスコーヒーを飲みながら、キョトンとする。


「だから、お前。」


「私?なんで?」


「なんでって……祝ってやろうかと。」


「あー良い良い。祝わなくって。」


なんで忘れたかなんてもう思い出せもしない。


「覚える気なんてないでしょ?それにさ、もうめでたい年じゃないしね。」


アイスコーヒーのお代わりを取りに行く。

久しぶりに入ったファミレスは、充実したドリンクバーで俺を驚かせた。


「和巳、何にする?」


「炭酸たっぷりの。」


「何それ?」


呆れてコップを手に取った。




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