雪の日に会えたら.

あ、電車来てるっぽい!!


私は走って階段を上がり
自分が乗る電車へ
急いだ。



ふー、ギリギリセーフ
で乗れたぁ。
…ラッキー!
目の前の席、空いてる。


私は空いてる席へに座り
ふと横を見て驚いた。



「ぁっ」



だってすぐ近くには
あの宮本くんが座って
寝てたから。


みんなに
メールしなくっちゃ!!


携帯を制服のポケット
から出して
『近くに宮本くんがいる!』
と打ち、続きを
押そうとして止めた。



自分のことをメールとか
で言われるの、
いい気しないもんね。



携帯を膝の上に置き、
自分が降りる駅を待った。



「次は新宿ー、新宿。お出口は左側です」



という車掌さんの声で
宮本くんが起きたみたい
で、


「やっべ!!」


っと席を立った。
相当慌てていたのか
鞄と私の膝の上にあった
携帯がぶつかり
落ちてしまった。



「ぅわっ!!すいません。…あ、ストラップ…」



私の携帯を拾い、
付いていたストラップが
壊れてたみたいで
宮本くんが困った顔を
している。


しゃがんで携帯を持って
いる宮本を見て
まつ毛長ー…
なんて思ってたら
顔を上げて不思議な顔
をされた。



「ぁ、大丈夫だよ。携帯は無事だし、ストラップなんかまた買えばいいから」

「え、でも…」

「本当に気にしないで。もう古いものだし」

「え"。じゃあもう同じのないんじゃ…」



あ、そういう意味じゃ
なかったのに、えっと…


「!?ってか宮本くん、電車行っちゃうから本当に大丈夫だよ!」


「本当だ。あ、じゃあ名前って…」

「瑠依。相原瑠依、2年5組だよ」



私、同じ学年なのに
名前も知られて
なかったのかぁ。
どんだけ影薄いのよ…
テンパって聞かれて
もないクラスまで
言っちゃったよ。




「じゃあ…相原さん、本当にごめん」



そう言って私に携帯を
渡しペコッと頭を
下げ宮本くんは電車
から降りていった。
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