虹に降る雨〜瞭の想い〜
断った後、少しだけ考えて出した答え。


「寒い。今、カイロが欲しいです。」


「………カイロの詰め合わせでも贈ります?」


「嬉しいかも。」


笑う彼女の両手を取り、そっと息をかけた。

冷たい二人の手が、少しだけ暖かくなった。

もう2月。寒い朝の散歩はやっぱりきつい。


「逢える時間は減っちゃうけど風邪ひくよりは」


「やだ。」


朝の散歩をやめようかと聞く俺に、すぐに帰った返事。

本当にやめたいわけじゃない。

ここは二人にとって大切な場所。

そして、彼女にとっては、特別な思い入れのある場所なんだと感じていた。


「あ………ごめん。瞭くんがやめたいんだったら……」


ほら、すぐに自分を抑えて我慢する。



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