野獣狂想曲
「あの…」

「貼って」

月島さんはそう言うと絆創膏を手渡してきた。



ドクンッ。



月島さんが真っ直ぐ私を見つめている。

恐怖感は薄れたものの、あの瞳に見つめられるのはいまだに慣れない。

「そ、そうですね。私が貼った方が早いですよね!」

返ってきた絆創膏の剥離紙を剥がした。


月島さんに見られている…。





ドクンッ。





貼ろうとしている手が震える。
なるべく目を合わせないようにして、無事傷口に貼ることができた。

「で、出来ました!

……ッ!!」





ドクンッ。





離れようとしたところを手を掴まれて引き留められた。

「お前……」

私の手を握っている月島さんの手に力がこもる。





「たまには手本見せろよ」






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