キラキラサイダー
コクン。

斎藤君の言葉に頷くのが精一杯だった。

「よし!」

そう言ってまた笑った顔は。

やっぱりあたしの知らない顔で。

その顔一つで斎藤君は、何時も学校で、ガン付けて、廊下歩けば周りが引いちゃうような、あたしの中の斎藤君のイメージを塗り替えてく。


キュゥウウン。


胸の奥で、まるで始まりの合図のように鳴ったそのときめきの意味を、その時のあたしはまだ知らなかった。

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