揺れる虹
「なぁ、今から俺んち行く?」


「行かなぁい。」


「行こうぜ?」


「仕事です。今日も頑張りましょ?」


俺の両の頬をむぎゅっとつまみ、にっこり。


「じゃ、今夜、えっと何時に」


「撮影、終わる?」


「………さぁ。」


一向に離す気配のない両手。


「終わったら電話して良い?」


「うん。待ってる。」


つまんだ両手をそっと包む。


「うん。待ってて。」


そっと触れる美羽の温もり。

久しぶりに触れた優しい温もり。


「やっぱ、俺んち」


「行かない。」


「大好きなのに?」


「大好きなのにね。」


始まった二人の時間。


大好きな君と、優しい温もり。


見上げる空は同じだから。


だから、明日も一緒に。





-fin-



< 34 / 34 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:3

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

嘘の無い想い
紫穂香/著

総文字数/12,083

恋愛(その他)33ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
嘘から始まる切ない時間 ほんの小さな嘘のつもり 知らない振り 揺らぐ心を繋ぐ答えは…………
相思相愛記念日
紫穂香/著

総文字数/9,540

恋愛(その他)26ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
目の前で繰り広げられる告白タイム それを見つめるひとつの心 恋人が目の前で別の人のものになったとき…… 貴方なら、笑えますか?
虹のリズム
紫穂香/著

総文字数/10,375

恋愛(その他)28ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
突然鳴り響く鼓動 胸のなかでリズムを変えながら、鳴り響く鼓動 幸せのリズムへとまっすぐに進む鼓動 『虹』シリーズ最新作 アイドル中の瞭くんの目に飛び込んできたハプニング 鳴り響く鼓動はどこへ向かうのか? ちょっとだけ微笑みが足りない時の心の栄養になりますように……

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop