揺れる虹
毎朝、空の弁当箱を手に帰って行く。


「空っぽだと凄く嬉しいんだ。」


その言葉に、一瞬プレッシャーを感じたのは確か。


「残したら泣く。」


ますますのプレッシャー。


なのに、蓋を開けたら、小さな小さなおにぎり。

残しようの無いほどの少しの量。

ゆっくり噛み砕き、飲み込んだ。

ひとつ飲み込むたび、元気が出た。

だから、毎日完食出来た。

空の弁当箱を見て嬉しそうな美羽をみるのが楽しみだったから。

今日もゆっくり味わって、力にします。

雲間から差す朝の光を感じながら、気合いを入れなおした。






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