雪玉。[冬]
次の日もその次の日も彼女は毎日来ては母さんに追い出された。
ある日―
季節は冬真っ只中。
母さんが仕事で来れない代わり、父さんが来た。
「元気か?」
「そこまで…」
「………」
「ねぇ、いつも来る彼女って僕の恋人だったのかな。」
「どうした急に。」
「僕を見る彼女の目が寂しそうなんだ。」
「そうか、会いたいか?」
「うん…まぁ」
そう言うと父さんは彼女が来ることを拒まず、僕ら2人だけにしてくれた。