不可解な恋愛 【完】
『2番目の彼女っていうのも、本命の彼女さんに悪いことしてるのはわかってるよ。でもこうなったこと、後悔はしてないから』
嫌な女だと思った?と聞く杏奈を、やっぱりこいつは強いと思った。
壊れそうなのは、見かけだけだ。芯がしっかりしていると思う。
「俺も嫌な男だから、おあいこだよ」
遮光カーテンの隙間から、暮れてきた陽の光が少しだけ差し込む。
次はほんとのほんとにお風呂ね、と笑う杏奈に
もう一度短くキスをして、ひとつ頷いた。