満ち足りない月
そんなセシルをちらっと横目で見るとリュエフはにやりと笑った。
「ほんでエルちゃんはこいつがヴァンパイアって事、知っとるんやろ?」
セシルはその声にハッとした。
「あ、はい…」
「ほな大丈夫やな」
――大丈夫?一体何のこと?
頭に疑問を浮かべながらセシルは言われた言葉について考えた。
「俺、人やと思う?」
机に肘をつきながらリュエフは上から目線でこちらを見つめる。
『君は俺が人間に見えるか?』
“あの時”を思い出した。
「その言い方だと違いますよね?」