ノワール・ナイト

「アルディス…いい?」

「いいも悪いも…これが無いと死んじゃうんでしょ??」


以前だったら、死ねばいい…と思ってたハズ。

でも、最近は死んで欲しくない。


この人のためなら命を削るのも惜しくない、と思ってるわ…。


私がこんな事を思って血を提供してるなんて、ギルは知らないわよね。


「っ……」


未だに慣れない。

舌で舐められる首筋の感触。

立てられる、牙。

鈍い痛み…そして。


いやらしい、この感じ。


「ギ…ルぅ…ちょ…ッ、もぅ…だめぇー…」


貧血で目の前がチカチカしてきた。


ギルは牙を離し、残る血を舐め…キスを落とす。


キスされるのを拒まない私。

なぜか、嫌では…ない。


口の中に広がる血の味。

ギルは本当に、これが美味しいの??


そのままギルに抱かれる。

どうしてだろ?

この人の腕の中は安心するの。

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