O.S.C
屈んで赤い目を見る。

「そう言えばそのウサギ、今のあなたを見ているように、黒尽くめの人を見ていましたね」

青年の言葉に、私は眼を見開いた。

…なるほど。

このウサギが私に懐くわけだ。

私はウサギを一撫でして、立ち上がった。

「いろいろ聞かせてくれてありがとう。まあもうないとは思うが、くれぐれも暗闇には気をつけて」

「分かりました。お送りしましょうか?」

「いや、私は1人でも平気な者なんでな」

青年に軽く手を振り、私はその村から出た。

村人は最後まで、私を胡散臭そうに見ていた。

…恐らく何らかの勘が働いているんだろう。

そしてその勘は正しい。

私は人間では無く、闇のモノなのだから―。

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