女子DEATHヒーロー
「そう言えば、新歓の案内こないね」
 あたしが佐々木を部屋から押しだそうと奮闘していたら、委員長が呟いた。

 新歓……?

「確かにー。生徒会がなんかたくらんでるのかも」

 話を聞いてあたし驚愕した。新歓って……泊まり込みでやるもん?ってか、まさかの旅館一つ貸し切っての鬼ごっこ大会って!
 毎年恒例らしい。
 逃げる役は毎年各クラスの代表で、みんなで追いかける。

 追いかけられる恐怖だ。

「なーんか嫌な予感」
「同感」
「えーそう?」

「……嫌な予感的中みたいです」
 委員長の呟きにあたしたちは委員長を見た。委員長の手元にある白い封筒。委員長は封筒の中身を見てから中に入れたみたい。

「何が?」
「これを読めば分かるよ……」
 遠い目をした委員長から手紙をとると、中を読んだ。

 ……。

 ふざけるな、生徒会!

「今年の逃げる役は風紀委員ってどういうことだよ!」
「……あたし、生徒会室行ってくる」
 無理無理!新しくなった風紀委員はまだ安定してないし。あたしたちが逃げるためにバラバラになったら委員長が……。
 それに、大勢で来られたらあたしは太刀打ちできない。ヤンキーだったらぶっ飛ばすけど、一般人は……。
 葉月センパイとか生徒会長の親衛隊にどさくさに紛れて何されるか……。

「絢、俺も行く」
「大丈夫。ただ行くだけだから」
 理不尽なこと言われたら央太が何しでかすか分からないし。
「とりあえず異議申し立てしてくる」
 あたしはダッシュで生徒会室に向かった。
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