君に染まる(前編)


獅堂創吾。



獅堂財閥の御曹司である俺は完璧な男。



成績は常にトップクラスでスポーツ万能。



完璧な容姿にたいていの女は一目惚れ。



そんな俺にキスされれば
どんな女だって喜ばしいことなのに
この女ときたら…。










「あはははは!!
創吾くん、キスして舌噛まれたの?」



「そ、それ最高…ぷっ…まじうける…
創吾…拒否られたんだ?」



部屋に帰るなり
一部始終を見ていた優が言いふらし、
大笑いの卓と美紅。



小等部からのツレである
優と卓と美紅とのたまり場が欲しくて
作らせた部屋。



学校にいるほとんどの時間を
過ごすこの部屋は、
生徒の間でVIPルームと呼ばれている。



「ねぇねぇ、どんな子なの?」



「うーん…なんか真面目そうな子。
Ⅰ類の新入生だった」



「僕、会ってみたいな~」



「いつか会えるよ。
近いうち創吾が連れてくるから」



「おい美紅、なんでそう決めつけてんだ」


< 81 / 337 >

この作品をシェア

pagetop