白-しろ-





男とか…聞いてない…

聞いてないですよイアル……








<通れ。>




「…………っ」









機械のような冷たい声に、無意識に体が震えた。








怖い。






<どうした、優袮。大丈夫だ。早く行くがいい>




「イアル…」






無機質な声がイアルの声に変わった。





<ほら>





「は、い…」









緊張しながらも、足を早める。











ドクンッ





ドク










<転生…九菜→優袮>










パァァァァッッ










眩しい…。

光が自分の体を包む。


いつの間にか、怖さはなくなった。






体の端から端まで、作り替えられていくような感覚。






そして、しばらくすると、水のなかに身を沈ませた。







ぽちゃっ
ぽちゃっ…






体が、動かない。



狭い。



苦しい。











<転生完了…

細胞の再構築終了…

記憶のデリート、…完了…
優袮の転生の完了を確認。
システムをシャットアウト

優袮への接続を遮断します。>











最後に聞こえたのは、


無機質な



イアルの声。









なぜか


イアルが 泣いているように聞こえた。









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