~Snow White~『ニ巻』
第八章
「今日はありがとう。
すごくすごく楽しかった。
素敵なブーツも選んでもらったし
お金出してもらっちゃって……」


「いいよ、
お好み焼きごちそうになったし。」



「うれしかった。
こんなことしてみたかったの。
好きな人とイルミネーション見たり
美味しいもの食べたり
自分のものを選んでもらたり
今夜は全部やってもらってうれしかった。」



「頑張りすぎだからな、夏絵…」



「たまに全部捨ててしまいたくなる。
でもトモは私のたった一人の家族だもん。
私はおかあさんなんだって
思ってるの。
だから頑張らなくちゃ。
卒業したら就職して二人で暮らすんだ。
こんな居心地の悪い生活しないとこに…」


星空を見上げて夏絵が白い息を吐く


「さむ~~~~っ…」

竜平の肩に頭を乗せた。


「好き・・・・。
迷惑だけど好きだから・・・。」
リュウのこと絶対幸せにするよ。」


「夏絵・・・・・
俺は利香を好きなんだ。」


竜平はそう言いながらも
夏絵の体を抱きしめた。


「俺、すげーずるい奴だろ?」


そう言って冷たい夏絵の頬に
自分の頬をピタッとつけた。
< 165 / 351 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop