手のひらの終焉

リャウカは薄い毛布を掴みあげて、

潜り込んだ。

ちょうど、

リャウドがのぞきこんだらしい。

「よく眠ってるみたいだ」

じゅうたんのこちら側で、

彼の声がした。

「もう、信用してもいいんじゃないか?

マモウル達と一緒にしても」

「いや、まだだ。

まだ本当に信用していいかどうかなんて分からない」

リャウカの心臓はひっつかまれたようだった。
 
唇をかんで、

リャウカはスクセ達の方へ背を向けた。

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