手のひらの終焉
真っ直ぐにこっちを見ているアモーレの、

形が綺麗で、情熱的な光を孕んだ目を思い出す。
 
絶対に、マモウルを奪還して、

無事にアモーレのところに帰りたい。

心の底からそう思う。

なのに、

リャウカの中の勘が、その希望を蝕んでいる。
 
どうしてなのか、リャウカにも分からなかった。
 
喋りながらも、リャウドは、

わだちの跡を見失うことなく、追跡した。
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