手のひらの終焉
日本刀を相手にするのは初めてだった。
 
少し、気持ちがひるむ。

この隙のない構えのせいかもしれない。
 
だけれど、ここは基本に忠実に行くに限る。
 
長いエモノを持った相手の場合、その懐に潜り込めばいい。
 
リャウカは針を、たてにくわえ直した。

そして、男の懐目掛けて飛び込んでいった。
 
当然、刀が襲ってきた。
 
それをナイフの刃で受け止め、その隙に、一歩踏み込んで、

男の懐に入り込み、その首目掛けて、針を噴き出した。
 
気味の良いほど鮮やかに、それは男の首に突き刺さる。

男の手から刀が落ち、立っていられなくなって、倒れこんだ。
 
一丁上がり。
< 215 / 262 >

この作品をシェア

pagetop