手のひらの終焉
赤一色の内装の中、唯一グレーのブラインドに背を向けて、

木製の椅子に縛り付けられていた。

「りゃ、りゃうか?」

驚いた目が、リャウカを見た。

「助けに来てくれ……」

輝かせていた目が、リャウカの肩先や足元に向けられた。

彼女の視線の先では、ノインに撃たれた傷跡が、血を吹いていた。

「怪我したの!?」

声と体を震わせて、マモウルは言った。

「大した怪我じゃない」

リャウカが笑うと、マモウルは、すううっと意識を失った。
 
ガクンとうなだれる。
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