手のひらの終焉
じんわりと滲んだ血が、すぐにどくどくと流れ出す。
 
リャウカは力を失って崩れ落ちた。

「ばいばい。バカなリャウカさん」

マモウルは倒れるリャウカから、

穢れたものでもさけるように、身をかわしてつぶやいた。

「嫌ね、ノインを殺しちゃったら帰れないじゃない」

体が自由になったマモウルは、気持ちよさそうに思い切り伸びをした。
 
ブラインドを乱暴にひきあけて外を見る。

「あら、ラッキー。遠くにジープの巻き上げる、砂ぼこりが見えるわ」

 マモウルは小さくつぶやくと、リャウカにはもはや目もくれず、部屋を出た。
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