手のひらの終焉
そこではじめて、自分があの赤い部屋の、

赤いソファに寝ていることに気付いた。

そばに、リャウドの持たせてくれた水入りのリュックもある。

「肩に入った弾は、荒療治で抜き取っておいたよ。そこも痛むだろう」

リャウカは頷いた。

「しばらく寝たままのほうがいい。治るまで、オレが面倒見るから」

言って男はニッと笑った。
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