俺のためにベルは鳴る
「でも…」



「んだよ。」



俺はポツリと小さく呟くと、訝しげな表情を浮かべる篤志をチラっと見た。



「俺…」



「オマっ…まさかとは思うけど、投げたいとか言うんじゃ…」



「………」



「……マジかよ。」



ここは、さすが親友というべきか、



視線ひとつで俺の胸の内を悟ったようで…



「お前っ!!次、ヤツに見つかったらマジヤベーぞっ!!」



「わかってる。」



「あんなナリでも、一応神サマに仕える人間だからな。殺られはしねぇ…と思うけど…」



「………」



「残り2年のお前の青春、間違いなくここで過ごすハメになるぞ?」



「……うん。」



立ち上がり、



俯いたまま、再び、小石を握りしめる俺の肩をガシッと掴むと、



「晴矢。考え直せ。やめとけ。…ってか、やめろ。」



「………」



「マリアなら大丈夫だから。こんなことしなくても、絶対、大丈夫だから。」



小石を握りしめたままの俺の右拳を掴みながら、諭すように言った。

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