俺のためにベルは鳴る
でも…



「ヤツの…ヤツの声が聞こえた…気が…した。」


「えっ!?」



ふいに篤志の口から飛び出したその言葉を聞いた瞬間、



ピキッと体が凍りつき、サーっと一気に全身の血の気が引いてしまった俺は、



ヤツって…



ヤツって…



もしかしなくても…



「“ヤツ”か?」



「あぁ。ヤツだ。」



「…マジっす…か?」



「マジ…。」



「聞き間違いじゃ…」



「んなわけねぇ!!ヤツの声を俺が…俺らが聞き間違えるわけねぇ!!あのヤクザのようなドスのきいた声を…」



「ヒィィ~!!それ以上言うなっ!!」



耳を塞ぎながらその場にしゃがみ込むと、



ヤツの声なんて…



俺らを出禁にしやがったクソ神主…いや、“無駄にマッチョなクソ神主”の声なんか…



聴きたくもねぇっ!!



ブンブンと勢いよく頭を振った。

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