モラトリアム
パチン、

と携帯を閉じ、
もう一度京子を見る。


京子はニコニコしながら、
携帯をいじっていた。


彼氏にメール?

なんてこと、
聞きたくなくて
また窓の外を見た。


黒髪のアイツは

相変わらずそこにいた。
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