kasiraな私
「お嬢に、後藤組の組長をお願いしたいと言いましたが?引き受けて頂けるんですよね?」


「ひゃにぃ?」


・・・声が裏返った。


灰皿に力強く煙草を擦りつけた三枝弟はあたしを見て、


「こんなちんちくりんじゃ務まるわけないだろ!」


「うんうん。そうだよ」


・・・って!!ちんちくりんは余計だろ!こらっ。


「しかし・・・頭の遺言ですから。これは前組長の命令ですので。子は親に絶対服従なんですよ」


絶対服従??


何か、その響きいいかも!


「そうだとしてもあたしには無理!それにまだ16歳だよ?こんな青二才の子供に組を引っ張られる組員の気持ちも考えてよ!」


あんっ。あたし、いい事言った!言ったよね?!


眉間に人差し指を置き悩ましげな表情を浮かべてる三枝。


そこは悩むとこではないですよ!


世間的に考えたら当たり前じゃん。


どこの極道に16歳の女が組長張ってる組があるんだ!


それにあたしには・・・エンブレムを掲げる資格なんか無い。


あれだけ極道のお父さんを嫌ってたのに自分がその立場になれと?


絶対に~~~~あり得ない!!!


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