kasiraな私

背中の龍

「ってな事が去年の夏あったんだよねぇ~~」


「たこ焼き、拾うの大変でしたよ~」


「何個、投げつけたんだろうね?あたし!!」


「ふぁぁ~~~。もう、終わった?俺・・・もう寝ていいかな?」


あたしがお父さんとの思い出話してるのに・・・眠いってわけ?


「どうぞどうぞ!!さっさと寝てください!」


冷めきったココアを飲みながら三枝弟に手をシッシとやってリビングから追い出した。


背中を掻き、あくびをしながらリビングを出ようとした三枝弟はいきなり振り返って、


「取り合えず、今日は組長室のソファで寝っから!」


と言って、再び前に進んだ。


「散らかさなければ・・・お好きに」


遠くから三枝弟の「へいへい」とあくび混じりの声が聞こえた。


それからあたしは就寝前のココアを三枝に淹れてもらって、体を温めてから部屋へ上がった。


「お嬢。おやすみなさい」


「三枝。おやすみ~~」
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