Virus
一方隣のホール。


J「クスクス…」


Jはいかにも楽しそうにしている。


それでも2人は、涼から目を離さなかった。


瞳は思わず胸の所に隠しているペンダントを握った。

J「クス……」


Jはそれを見ると笑って言った。


J「瞳…何、隠してるの?」


瞳「えっ!?」


そう、言われ辺りを警戒したが、もう遅かった。


次の瞬間、体に触手がまとわりついてきた。


瞳「きゃあ!」


祐「佐野!?」


流「瞳ちゃん!」


触手があのペンダントを取って離れた。


瞳「あっ!」


ペンダントがJの手に渡る。


J「んー、なんかゼロも持ってたような気がするな。このペンダント。何、そんなに重要なもの?」


瞳「返して!」


瞳が叫んだのと同時に流架も言った。


流「それを返すんだ!」


J「ふーん、よっぽど大切な物なんだね」


Jが中を開けていじると抗体が出てきた。


J「これは…抗体じゃないか。しかも、作り方まで書いてある―…」


祐騎が取り返そうとしたが、触手に邪魔される。


祐「くっ…!」


ズザッ…


咄嗟に後ろに下がった。


その祐騎の様子を見て言った。


J「クス…言っただろ?君の相手は俺じゃないよ。瞳、ありがとう。これで、研究もさらに進められるよ」

ニコッとJは笑った。


瞳「…!」


そんなJを見て瞳はぎゅっと拳に力を入れた。


J「取り返したいんなら、涼を倒さなきゃね。…まぁ、普通の人間がゼロ・キメラに勝てるわけないけど」

明らかにJには余裕がある。


祐「あの野郎…」


流「祐騎、早く抗体を…」

祐「分かってる。行くぞ、流架」


流「うん。瞳ちゃんは安全な場所に居て!」


流架が叫んだ。
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