Virus
一方、祐騎は中距離タイプで、スピードがあったので触手を次々と避けて距離を縮めていた。


(あっちに気をとられてるな…。だったら…!)


祐騎は後ろに回って、ナイフを投げた。


ザクッ!


涼「!?」


ナイフは見事肩に当たった。


祐「これで少しは怯めよ!」


涼が後ろを向いたのと同時に腹に蹴りを入れた。


パシッ


祐「!?」


渇いた音が響いた。


祐「なっ…!」


祐騎の蹴りを片手で受け止めていた。


そのまま、足を掴まれ投げられた。


ドカンッ!


壁に叩きつけられる。


流「祐騎!」


流架が少し離れた所で叫んだ。


ガラガラ…


祐「ぐっ…ゲホッ!」


どうやら体勢を立て直し頭からの直撃は免れたようだ。


流「大丈夫!?」


祐「っ…なんとかな。くそっ…やっぱ私ごときの力じゃダメか…」


ペッと血を吐いて立ち上がりながら言った。


なんだかんだ言っても祐騎は女だ。


蹴りも男に比べやはり弱くなってしまう。


人間相手ならまだしも、キメラウィルスを体内に入れている今の涼には全く効いていなかった。


祐「! 流架!横!」


流「!?」


流架の真横にいつの間に涼が居た。


祐騎に気をとられていて、気付けなく、銃を構えるがもう遅かった。


強烈な触手が鞭のようにしなり、流架に当たった。


流「うっ!」


ドカァン!


祐「流架!」


流架も壁に叩きつけられた。
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