女王様とお調子者 **恋の花が咲いた頃**

ポツッ

『雨…?』


クッキーを捨てたと同時にポツッと落ちてきた雫が鼻の頭を濡らしたと思ったら、あっという間に大粒の雨に変わった。

『…っ…ふ……』


だけどあたしはその場から動けなくて、声を殺して泣いた…。



先生に名前を褒められたの嬉しかった。

先生のタバコを吸う横顔が格好良くて好きだった。


先生に頭をポンッて叩かれたり、触れられたりするとドキドキした。


だけど先生は…


あたしの向こうに違う人を見てたの?



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