アナタがいたから
そんな私を優しく温かい光が包見込む。
<ずっと、この場所に縛り付けられるのかと思っていた。ずっと、人を恨んでいかなければいけないのかと……ありがとう……凛。やっと、私は自然に帰れます>
「母さん!!」
(待って……もう少し……もう少し頑張れるから……)
<いいえ、十分です……これ以上私を留めようとすればアナタが壊れてしまう……龍印の力は諸刃の剣。決して力に流されぬように……燿をお願いします>
彼女がそう言うと一陣の風が通り抜け、その光り輝く粒子をキラキラと空へと舞い上げた。
(ま、待って……壊れるって?ねぇ!)
<燿、愛しているわ……何時までも……>
私の呟きは光と共に風に乗って消え去り、風の吹きぬけた空間に優しく彼女の声が響く。
その瞬間、まるで何かの封印が解かれたかのように、あたりは一気に明るく輝き、枯れて萎れていた草木がみずみずしく葉を茂らせた。
「こ、これは……一体?」
燿君の声を響かせるバラ園は、色とりどりのバラが咲き始める。
その様子をボンヤリとした視界で確認していた私だったが、輝き始める庭の中、硬い石の上に体が当たるのを感じて、意識を失った。
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