スキ、だけどキライ


「おい、おい!!!」

体を揺さぶるが反応なし。
それどころか苦しそうに呼吸し、
意識も朦朧している。


もしかして、あの日‥。



-----「渋谷先輩ほんとにうちに来たんだって。雨に濡れてびちょびちょになりながらさ」


-----「苓那は雨に濡れないように抱えてきてくれたんだって」


翼の言葉が頭をよぎる。


あの日、アイツがほんとに雨に濡れながらあたしを助けてくれたのが


本当なら-----、



アイツは‥、颯太は


3日間ずっと


誰にも気づかれずに


一人この部屋で


苦しんでいたの、か?



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