親友!?幼なじみ!?恋人!?
AS 6
これは、高校最後の年のお話。

―――――――――…

昨日の夜、慎吾のジーンズから“CLUB 華月”という、いかにもっていうよりそのまんまな名刺が出てきた。

店の名前の下には妖しく小さな文字で“夜に咲く永遠の華”って書いてある。

その下には大きく“百合華”。

そのまんま過ぎてちょっとどうなんだろうか…、なんて思ってしまった。

だけど、そんなこと問題じゃなくて、なんでこんなものが慎吾のジーパンから出てくるのかが問題!

わたしに黙ってそういうところに行ったの?

行動を制限したいわけじゃない。

束縛もしたくない。

だけど、未知で妖しいそんなところに慎吾が自分から行ったのかと思うと、とても切なくなる。

きらびやかで楽しい場所なのかもしれない。

行ったことないから、悪いようには言えないけど、キレイなお姉さんたちがいっぱいいるとこだっていうのは分かる。

慎吾は…キレイなお姉さんに会いたかったのかな?

わたしなんてキレイじゃないし、満足できないのかもしれないし、目の保養に行ったのかもしれない。

だけど、付き合って1年もたってて、しかも、クラスが離れて行事が忙しいからなかなか会う機会なんてないのに。

高校生だよ?

まずそんなとこに行っていいの?って話だよね。

会いたいのに忙しいから会うの我慢してるのに、そういうとこには行ける時間があるわけ?

最近、なにかにつけて文化祭だ、部活だって…わたしだって一緒だし!

でも、忙しくても会いたいもんは会いたいし。

家近いんだから、ちょっとくらい遊びに行ったっていいのに、それもダメだし。

なのに…!!!!!!

ひどくない?


「慎吾…、隠し事ない?」

「えっ?ないよ?」

「ほんとに?」

「隠し事されたいの?」

「されたくないから聞いてるんじゃん」

「えっ?隠し事?」

「そうだよ」

「してないから」

「うそだ!…じゃあこれない?」

そう言って差し出した例の名刺。

ちゃんと証拠はあるんだから!

「こっこれ…なっなっなんで美波が!」

明らかに動揺した慎吾の様子を見て、胸がチクチク痛んだ。

そんなあからさまに焦らなくても。

慎吾のその言動が疑惑から確信に強めることになって、沈んだ気持ちになった。
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