ヴァンパイアの花嫁 番外編②

しばらくして目を覚ましたティナは隣にレオンがいない事に寂しく思う。



忙しいのだから仕方がないよね。



真紅色のベルベットガウンを身につけるとふかふかの絨毯に足を降ろすのとドアが開いたのは同時だった。



アメリアがモスグリーンのドレスを抱えている。



「ティナ様、お着替えをしましょう」



ドレスをイスにふわりと置いてからアメリアがにっこりティナに微笑んだ。



「パーティーでもあるの？」



初めて見るドレスに困惑した表情になる。



「はい　ハーデス領にいらっしゃるアシーネ様の姉君がいらっしゃったので晩餐会が開かれます」



「アシーネ様にお姉さまがいらっしゃったなんて知らなかった」



まだこの世界で過ごすようになって日も浅いティナだが、一番身近な人といえるアシーネの事を何も知らなくてまだまだだなと少し落ち込む。