ヴァンパイアの花嫁 番外編②
「ティナ!?」


床に座り込んだままのティナは扉に背を向けている為、表情は見えない。



レオンがティナの目の前に立った時、アメリアも姿を現した。



「ティナ様!?」



「ティナ、どうした?」


ティナの様子に眉根が寄る。



床に片膝を着きティナの両肩に手を置いた。



ティナは指から流れる血を止めようともせずぼんやり傷口を見つめていた。



鋭い破片はかなり深くティナの人差し指を切っていた。



レオンはその指を自分の口に持って行き、流れる血を舌で舐め取った。



いつもながらの極上の味わいにもっと味わいたくなってしまう。



だが、ティナの様子がおかしい。



「まだ痛むのか?」


傷はきれいに治っている。



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