ヴァンパイアの花嫁 番外編②
隣の寝室へティナを連れて行くとベッドの上にふわりと降ろされる。


「何かあったのか?」



ベッドの端に腰をかけたレオンは俯くティナの顎に手をかけて視線を合わせる。



「レオン・・・家に帰りたい・・・」


無性に育った家が懐かしくなった。



こことはすべてが違う。



太陽がさんさんと降り注ぎ、澄んだ海があった。



ここは嫌・・・薄いグレーのカーテンがまとわりついているみたい。



「家?家とは我が屋敷の事か?」



「・・・違う あたしが育った家」



無理な事を承知で言っている。


あたしはレオンを困らせたいんだ。


案の定、レオンは天を仰いで考えた表情になった。



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