ヴァンパイアの花嫁 番外編②
「さあ、町長早く火を放ちなさい」


隣にいる背の低い恰幅の良い男にアードルフが言った。



その途端に町人たちが「早く火を~」と焚きつける。



ティナはギュッと目を閉じた。



レオン・・・。



真綿のように包んでくれるレオンはいない。


あたしはもうレオンに会えないの?


火の恐怖よりもレオンと二度と会えなくなる方が怖い。



町長が松明(たいまつ)をわらの上に放り投げた時、宙に飛んだ松明とわらの間を何かがさえぎった。



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