ストーカークラブ
第十二章 決戦
 日曜日が迫った土曜の夜、信太は陽一の部屋にいた。


「ヤバイって〜。会って別れ話しして、別れるなら死んでやるって言われたらどうすんだよ」


「そうだよな。どうしよう……。せっかく落ち着いて暮らせてたのに……そうだっ」


 久しぶりに例の「ストーカークラブ」というサイトを見たら、何か新たな書き込みがあるかもしれないと思い、陽一のパソコンで開いてみた。

 そこには、(白馬の王子)が美奈子に自殺を匂わし相手に迫れば、必ず幸せになるという様な内容のアドバイスを書き込んでいた。すかさずサイトの管理人は止めに入っていたが、暴走は止まらない。やはり(白馬の王子)いや、白石さんは相当狂っている。

 日付通り読んでいくと途中から、順の書き込みが途絶えている事に気が付いた。信太が携帯や自宅の番号を代えたので、諦めたのだろうか。それに順は気が小さいので、直接信太の家に来る事はしていないのかもしれない。

 そういえば、携帯への非通知や、自宅への無言電話や傘を切り刻んだのは、順や美奈子ではなく、白石さんの様な気がする。


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